はじめよう。美しいあの場所へ、迷子にならぬ様、ワタシへの道標となる様に。

瞳に映る生命の息吹、耳から観える生命の動き、感じる景色。繋がる精神の緒。

脈脈と繋がるこれまでこれからのど真ん中。感じるままに三輪福綴りに記して行こう。


2023年5月19日金曜日

梅の精霊の仕業

 2023年の春の藍建ても、無事に建ってくれて染めに勤しむ日々の中に。

灰汁の作り方も、今年更に実験を試みて自分なりの発見を得たのは

大きな収穫に。

本建て正藍染に取り組み出して6年目を迎える。

まさか、藍に向き合うなんて移住当初は思いもよらず。

それもこれも、梅との出逢いからそれは自然と始まって行き、

気がつけば、展示会が技法を習得する以前に決まってしまい、

もう後にも先にも引けない状態に。

きっと通常は、技法を習得し、染めに専念し納得行ってから

展示会になっていくのだと思うのだけれど、どういうわけか、展示会が先に

決まって行ったと言うのも、今から思うとよくやったなあと思う。

正藍染の師、大川さんが、ある一枚の大きな染め布を見ては、

「大胆ですね、でもちゃんとよく染まっている。どんどんおやりなさい」

そう後押ししてくださったのも、わからないからこそ、進めたのだと

思う。今だと、もしかしたら「まだちゃんとできないので」と遠慮していたに違いない。

そして、今年、そんな染め師としてもある意味転機を迎えようとしている気がしている。

ご縁を導いた梅林の梅が今年は、ほとんど実がならない。

きっと昨年の影響があるのだろうと思いながら、同時に梅林のおじいさんが92歳を全うし

天へ上がられた。

梅も裳に服しているのかもしれないねと、友人がそう呟いてくれ、

自然とそう思えた。

これまで、梅に注いでいたエネルギーが藍やそれ以外に使えるようになったので、

これまで、手一杯だったところにほんの少しだけ回せる何かが見出せそうだ。

とは言え、休む事はあるのだろうかと言うほど、こちらので暮らしは日々

自然のリズムとともにたくさんとやってくる。

打って変わって、移住したての時に植樹した梅の苗木がすっかり木になっていて

こちらは、実がついている。

私も時を同じくして成長していると思える様に、日々是精進!

今、工房ではお勉強にと染めのアシストに入っていただいている。

これは、私にとっても勉強になる運びで、今後に活かせる事だと思って

手探りながら、歩み始めることに。

これからの私に興味を抱ける様に、新鮮な気持ちに積極的に触れていこうと思う。