はじめよう。美しいあの場所へ、迷子にならぬ様、ワタシへの道標となる様に。

瞳に映る生命の息吹、耳から観える生命の動き、感じる景色。繋がる精神の緒。

脈脈と繋がるこれまでこれからのど真ん中。感じるままに三輪福綴りに記して行こう。


2019年7月31日水曜日

パキスタンウールショール

巡業から戻って、正藍染に取り組んでいる。
色々な、天然素材を染めてみては、
たくさんの発見をいただいている。
なかでも、ウールはまだ染めた事がなかったけれど、
いつか縁があったら取り組んでみたいなあと、
頭の片隅に。すると、ひょんな流れから、
ちょうどパキスタンへ旅に出られていた
ものづくりの仲間でもあるスワラジさんから、
パキスタンのウールショールの染め依頼が入った。
手紡ぎの繊細な薄手のショール。
はじめてなので、慎重に精錬。
精錬も麻や綿などとは違った方法で。
気温などにも気をつけながら取り組んだ。
一度目の染めから水中酸化で洗いあげたら、
なんとも淡い藍の色。
まだ、正藍染技法を学んで間もない頃、
まわりの染色家から
「ウールもシルクも、藍染は出来ないですよ」
と言われていた。
まだ、ウールもシルクも染めていなかったけれど、
染まる事を知っていたので、どうしてだろう?
と不思議で仕方なかった。
その見方が、もしかしたら圧倒的常識なのかもしれない。
現実は、目の前にあるパキスタンウールショールが物語っている。
何より、自分のこの手で染めに寄り添っていたので、天然素材は
染まるのだ。手間がとってもかかるけれど、恩恵は感動もの。
紫外線を通さず、抗菌消臭も素晴らしく、生地は丈夫になるし、
色落ち、色移りもしない。そんな藍染知らなかったし、
色落ちが当たり前だと思い込んでいた。
肌にも心地よく、なんと毒虫避けにもなるとか。
実際に、シーツを染めて寝てみると、
ぐっすり眠れるのがよくわかる。
昔の日本には、この技法が当たり前で、
生活に重宝されて来た歴史があるみたい。
今は夏まっさかりだけれど、
この薄手の手紡ぎウールショールがこの
秋、冬に大活躍してくれそうだ。
都内から大胆に移動したながれから、
今、こうして取り組んでいる染めも
自然のまにまに。
さあて、貴重なお日様タイム、明日も染め日和。

8月13日まで
横浜はセンター北駅すぐの
ノースポートビルB2
ナチュラルハーモニックプランツさん
新月小屋にて、三輪福の手しごと展
開催中。

パキスタンウールショールも
展示されているので
ぜひ、目撃していただきたい。

感謝